ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、米国防総省高官は16日、北東部にある第2の都市ハルキウ周辺でウクライナ軍が北部の国境近くまでロシア軍を押し返したとの見解を明らかにした。欧米から提供された長距離砲が、ウクライナの反転攻勢に役立っているという。
高官によると、ハルキウ北部に迫っていた部隊は、ロシア国境まで3~4キロの地点に後退したという。「都市を防衛するだけでなく、今やロシア軍を東や北に向けて押し返している。(欧米が供与した)榴(りゅう)弾砲がハルキウでは特に効果を発揮していると見ている」と高官は述べた。周辺での空爆などは続いており、ロシア軍がハルキウ包囲を断念したとはまだ判断していないという。
ハルキウは東部ドンバス地方にも近い要衝で、ロシア軍は侵攻当初から攻勢を強めていた。だが、ウクライナ軍の抵抗を前にロシア軍の撤退が伝えられ、ハルキウ州の知事は15日、退避した住民の帰還が始まったと報告している。
ドンバス地方でも、ロシア軍には目立った前進はないという。ロシア軍はハルキウ州イジュームからドネツク州リマンに向け南進を目指し、抵抗するウクライナ軍との激しい砲撃戦が繰り広げられている。また、新たにドネツク市西部でも激しい戦闘が起きているという。
西部リビウ州では15日、ウクライナ軍の訓練施設に対しミサイル攻撃があった。高官によると、6発程度のミサイルで一部の建物に被害が出たという。ミサイルは黒海の潜水艦から発射されたとみられる。(ワシントン=高野遼)
東部ドンバス地方では激戦続く
ウクライナ東部ドンバス地方…
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