東電子会社社長が受けた衝撃 洋上風力「この価格でやれるのか」

宮川純一
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 東京電力リニューアブルパワー(RP)の永沢昌社長が朝日新聞のインタビューに応じた。日本初となる大型の洋上風力発電の入札で三菱商事の陣営に敗れたことについて「欧州並みの価格競争になった。遜色のない価格をつくれるか検討している」と述べ、次回の入札に向けて戦略の見直しを進めていると明かした。

 水力や太陽光など再生可能エネルギー事業を手がける東電RPは、東電ホールディングスの子会社として2020年4月に誕生した。

 昨年7月に改定された東電の再建計画では、30年までに現在の2・5倍にあたる1千億円の純利益をめざす。原発6~7基分にあたる600万~700万キロワットの再エネを国内外で開発する計画だ。

 東電RPが事業拡大の柱と位置づけるのが洋上風力発電だ。政府は40年までに最大4500万キロワット分を整備する目標を掲げ、公募で事業者を選んでいる。事実上の「第一弾」だった秋田県千葉県沖の3海域の結果が昨年12月に公表され、三菱商事の陣営が全勝した。

価格以外の評価が高まる 海外にも力を

 売電価格は2海域で応札した東電陣営より2~3割も安く、永沢氏は「本当にこの価格でやれるのかと衝撃的だった」と振り返った。次回からの入札に向け、「(コスト削減の)工夫の余地が見えてきている部分もあるが、遜色ない価格が示せるか、結論は出ていない」と話す。

 政府は、価格がより重視される現在の審査基準を見直す方針だ。永沢氏は「価格以外の評価(のウェート)が高まる方向だと思う」と期待感を示す。評価項目には、これまで東電が取り組んできた「地域への貢献」などが入っており、「どう磨き込むかで明暗が分かれる」と強調した。

 海外の再エネ開発に注力する考えも示した。東電RPは今年2月、インドネシア水力発電会社に32億円を出資した。脱炭素の流れが強まるなか、石炭火力発電が多い東南アジアでも再エネの開発が増える見通しだ。永沢氏は「事業会社への出資を通じて、(再エネの)電源を多様化していく」と述べ、水力発電だけでなく、風力や太陽光、地熱発電の開発を支援していくという。(宮川純一)