がんと闘った北の湖親方「最後の土俵」 見つめた288キロの愛弟子
抜井規泰
北の湖親方の弟子に、ロシア出身の力士で、史上最高体重を記録した大露羅がいた。
2017年9月場所前の身体検査で、288キロを記録。「超える力士は現れない」とも言われた元大関小錦の285キロを更新し、歴代最重量力士となった。
新記録に、大露羅は「永遠に名が残る」と笑っていたが、実は悩みばかりだった。10年ほど前に弟の結婚式で帰国した際は、水も食事もとらずに飛行機に乗り込んだ。トイレに入れないのだ。機内では2席分に座るが、リクライニングを倒すとひじかけが背中に当たるため、ほぼ直角の状態で座ったまま。日本に戻ると涙目で「もう2度と嫌です」と語っていた。
北の湖親方から可愛がられ…