「急げ!」DV夫から逃げ出した離婚調停 危険な裁判所は変われるか

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村上友里
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 離婚調停する人にとって裁判所は、殺人事件も起きる危険な場所でした。こうした実態を劇的に変えるかもしれない、手続きのIT化が実現します。現在と未来の裁判の姿に迫ります。

 「急ぎましょう!」。2019年10月ごろ、本田正男弁護士は依頼人の女性と一緒に横浜家裁川崎支部の廊下を走って玄関を飛び出した。庁舎裏に待たせていたタクシーに飛び乗ると、すぐに発進させた。追ってくる人影がないことを確認し、ようやく息をついた。

 数分前、家裁の一室で女性と夫の離婚が成立した。女性は夫からDVを受け、他県に避難していた。夫が書記官から離婚成立後の手続きについて説明を受けている隙を突いて逃げた。

 離婚事件を多く扱ってきた本田弁護士は「こうしたことは日常茶飯事。DV被害者らにとって裁判所は一番危険な場所」という。

 これまでの離婚調停は、途中段階では電話会議が利用できたが、離婚成立時には双方が裁判所に出頭しなければならなかった。本田弁護士の経験では、成立日に夫から渡された飼い犬のカゴにGPS端末がつけられていたこともあった。

過去には裁判所で殺人事件

 片方だけが家裁に行く途中段階の期日でも、19年3月には東京家裁を訪れた妻を待ち伏せた夫が刃物で殺害する事件が起きた。

 警視庁によると、夫はこの日…

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