新生・履正社は走る ライバル大阪桐蔭に1点差惜敗も手応え

編集委員・稲崎航一
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 (高校野球・春季大阪府大会決勝 大阪桐蔭3―2履正社)

 ライバルに1点差の惜敗。新生・履正社にとって、手応えと悔しさが入りまじった決勝となった。

 この春、部長から就任した多田晃監督は試合後、「春の優勝をめざして冬の練習をやってきました。前田(悠伍)君は簡単には点を取らせてくれないですね。ただ、ここまで粘れたので」と唇をかんだ。

 30年以上、チームを率いた岡田龍生前監督からバトンを受け継いだ。伝統の強打に加え、新たに機動力を前面に押し出している。

 「隙があれば走っていこうと。練習試合から取り組んできました」

 この日の決勝。大阪桐蔭の左腕前田の牽制(けんせい)球に走者が誘い出され、2度刺された。

 それでも、ひるまずスタートを切る。三、七回と二盗を成功させた。

 特徴が出たのは2点を先制した三回の攻撃だ。

 1死一塁から1番光弘帆高が右翼線に先制適時三塁打。続く西稜太の6球目。フルカウントから、三塁走者光弘がスタートを切った。

 奇襲と言えるだろう。ヒットエンドラン。西が変化球を右前に運び、2点目を挙げた。

 「点を取るためにいろいろやっています。牽制で刺されても、相手バッテリーには重圧がかかるし、配球も変わる可能性がある。走塁を打撃に生かしたい」

 大阪桐蔭には昨秋の府大会準決勝で3―5で敗れた。この春は2―3。選抜王者を相手に、八回まで同点で競り合った。

 「足りなかったところを選手と話し合って、夏は何が何でも勝ちたい」

 2019年夏の第101回全国選手権大会は、盗塁ゼロで制した。そんなチームに新たな武器を加え、43歳の新監督は頂点に挑む。(編集委員・稲崎航一)