ロシア軍が2カ月半にわたって包囲するウクライナ南東部マリウポリ市の製鉄所「アゾフスターリ」で16日、ウクライナ兵の退避が始まり、250人以上が親ロシア派支配地域に移送された。ウクライナ軍側は任務の完了を報告し、兵士に撤退を命じた。ロシアが占領するクリミア半島とウクライナ東部をつなぐ要衝を、ロシアが近く完全制圧する可能性が高くなった。
「多くの困難があったが、マリウポリの部隊は任務を完了した」。製鉄所を拠点に抵抗を続けてきたウクライナ内務省軍の部隊「アゾフ連隊」のプロコペンコ指揮官は16日夜、SNSで兵士の退避を報告した。「82日にわたり攻撃を受けてきた。この間、ウクライナ軍の再編や兵士の訓練、海外からの武器の調達を可能にした」と成果を強調した。製鉄所に残るウクライナ側の兵士や負傷兵の退避を実現するよう協力を求めた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は16日夜のビデオ演説で「ウクライナは英雄たちの生還を必要としている」とし、そのために「慎重さと時間が必要だ」と語った。ロイター通信は「ウクライナ戦争で最も長く血なまぐさい戦闘が、ウクライナにとって重要な敗北に終わる可能性がある」と伝えている。
ウクライナ国防省のマリャル…

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