キーン先生の顕彰碑建立へ 「永遠に継承したい」 草加市民有志

加藤真太郎
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 今年は「おくの細道」を英訳した米国出身の日本文学研究者、故ドナルド・キーンさん(1922―2019)の生誕から100年の節目の年。松尾芭蕉が江戸を出た旅の初日にたどりついた埼玉県草加市の市民有志が、キーンさんの顕彰記念碑の建立に向け、協賛金を募っている。

 キーンさんは市内で1988年に開かれた「奥の細道国際シンポジウム」で基調講演して以来、草加を繰り返し訪れ、交流を深めてきた。市主催の「奥の細道文学賞」で審査員を務めたほか、2012年には近世の俳人の論評などに与えられる「ドナルド・キーン賞」も創設された。市文化会館内の「漸草庵(ぜんそうあん) 百代(はくたい)の過客(かかく)」もキーンさんが「おくの細道」から命名した日本文化芸術関連施設だ。

 顕彰記念碑は縦40センチ、横70センチ。キーンさんの顔が描かれたブロンズ製のレリーフを石の台座に埋め込み、キーンさんの揮毫(きごう)で「日本を寿(ことほ)ぐ」と刻む。7月30~31日に市内で開かれる「奥の細道サミット」に合わせて、7月下旬に「漸草庵」の庭園に設置する。キーンさんの顕彰記念碑は全国初という。

 レリーフの制作を託されたのは市内の彫刻家・麦倉忠彦さん(86)。養子のキーン誠己さんの「学者らしい姿を」との意向を受け、提供された写真を参考に、キーンさんのまなざしにこだわり、レリーフの原型を粘土でつくりあげた。

 企画した市民団体「ドナルド・キーン先生を顕彰する会」代表で元市長の今井宏さん(80)は基調講演を頼む際、キーンさんから「『草加』の一言で奥の細道を継承しようという姿勢がすばらしい。継続して取り組むことを約束してください」と言われたという。「草加に大変な貢献をいただいた大恩人。先生の足跡と功績、記憶を永遠に継承していきたい」と話す。

 目標額は160万円。1口1万円で振替払込書が入った案内書は市文化会館で配布中。問い合わせは同会館(048・931・9325)内の市文化協会へ。(加藤真太郎)