辞職の元県議、自らで欠員の県議補選出馬へ 「戻るしかなかった」

長妻昭明
[PR]

 熊本県議補選が20日に告示、29日に投開票される。県議2人が辞職したことに伴う選挙だが、その辞職した前県議が出馬を予定している。自身が退いた座をめぐる選挙に出馬することに「異例の選挙」と指摘する声があがる。

 補選が行われるのは、熊本市第1区(被選挙数2)。濱田大造前県議(51)が昨秋の衆院選立憲民主党の公認で立候補して自動失職し、松野明美前県議(54)が今夏の参院選に出馬するために4月に辞職した。2人の欠員が生じたため、同月下旬に補選が実施されることが決まった。

 突然の選挙に立憲や共産など各党が候補者擁立を模索する中、今月9日に県庁で開かれた立候補予定者説明会に濱田氏の陣営が出席した。濱田氏は幅広い有権者に訴えたいとして、無所属での出馬を表明した。立憲を離党する意向だという。辞職した選挙に出馬するのは「異例」との声も一部の政党などからあがっている。

「成否決めるのは有権者」

 県選挙管理委員会によると、辞職した前県議が出馬することは法律上問題ない。ただ、選管が確認できる過去2回の県議補選(2012年、18年)で今回のように辞職した前県議が出馬したケースはなかったという。また、補選には1億6700万円の予算が計上されている。

 濱田氏は取材に、県議を辞職することとなった衆院選出馬について「立候補する人がいなく、責任を取るという側面が大きかった」とした上で「衆院選後に(次期衆院選の候補予定者が就く)熊本1区総支部長に再任されなかった。次の衆院選に出られなくなり、県議選に戻るしかなかった。急きょ補欠選挙になり、出ない選択肢はなかった」と説明した。

 自身が辞めたことで行われる補選に出馬することについては「法律に触れる問題ではない。成否を決めるのは有権者。むしろ公職に復帰して欲しいという声が多い」と話した。

 県議補選には濱田氏の他に、いずれも新顔で不動産会社長の堤泰之氏(47)=無所属=と歌手の杉嶌ミカ氏(39)=無所属=、西川悦子氏(68)=共産党=が出馬を予定している。(長妻昭明)