遠隔操作のロボット使い、外出困難な人の在宅就労へ実証実験 鎌倉市

芳垣文子
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 離れた場所で操作できるロボットを使って、外出や就労が困難な障害者らが働く実証実験が、神奈川県鎌倉市鶴岡八幡宮境内にある「鎌倉殿の13人 大河ドラマ館」で始まった。

 同ドラマ館の物販スペース一角に据えられたのは、遠隔操作ロボット「OriHime(オリヒメ)」。初日となった今月9日は、島根県に住む三好史子さん(27)が自宅からパソコンを操作し、オリヒメを通して来館者にお勧めの商品を紹介したり、会話を楽しんだりした。

 三好さんは全身の筋力が低下する脊髄(せきずい)性筋萎縮症(SMA)という難病の患者。電動車いすで一人暮らしをしており、3年前からオリヒメを使い始めたという。和歌山県にあるアドベンチャーワールド内のレストランでメニューを紹介するなど、オリヒメを活用して仕事をしている。

 額にあるカメラによって店内の様子が三好さんのパソコンに映し出され、それを見ながら来店者に話しかけることができる。パソコン操作で手や首を動かすことも可能だ。

 この日は、訪れた女性グループが「島根の天気はどうですか」「お勧めはなんですか」などと尋ねながらおしゃべりした。三好さんは「商品の説明を通してお客さんとコミュニケーションが取れる。いろいろな働く可能性があることを知っていただけたらうれしい」と話す。

 障害のほかに、家族の介護などで外出が難しい人が、分身ロボットを活用して就労を可能にする取り組み。鎌倉市は在宅就労の可能性を探るため、オリヒメを開発した「オリィ研究所」(東京)と4月に協定を結び、今回の取り組みの実現にこぎつけた。

 同ドラマ館では、東京や広島などに住む障害者ら外出が難しい人6人が、平日午後2時半~4時半、自宅にいながら交代で勤務に当たる。期間は12月28日まで。今後の運用状況によって稼働時間が変わる場合もあるという。(芳垣文子)