周囲の声は「耳に入れない」 苦悩の正代、迫る4度目のカド番
松本龍三郎
春場所後半に見せた怒濤(どとう)の追い上げは、難しいようだ。
大関正代が早くも7敗目。4度目のカド番まで、もうあとがなくなった。
夏場所10日目。先場所千秋楽の一番で、力強く土俵下へ投げ捨てた関脇若隆景が相手だった。
厳しくおっつけられると、差し手を殺され防戦一方。俵に詰まって苦し紛れに打った小手投げは、不発に終わった。
テレビ解説の陸奥親方(元大関霧島)は「正代がまともに受けているだけ。気持ちの問題だと思う」と指摘し、「(若隆景の)おっつけで、全く差せない。差すには、もっと強く当たらないと」と語った。
正代は今場所、星が伸びないなかでも、報道陣の取材には真摯(しんし)に応じている。この日も取材現場に現れ、敗因を分析した。
「立ち合いもそうですけど、立ち合いからの2歩目、3歩目がちょっと思ったように出ないな、と。そこが出ると、余裕があるのかなと思うんですけど」
大関陣の奮起を期待する声には、「ほとんど、耳に入れないようにしています」と言った。
もう負けられない終盤5日間に向け、「あとが無いんで、変に考えることやめようかなと。思いっきりいければなと思います」。(松本龍三郎)