ツキノワグマの狩猟再開へ 絶滅の危険性低下 県が管理計画案

石川和彦
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 鳥取県内に生息するツキノワグマの狩猟が今秋、再開される見通しとなった。13日にオンラインで開かれた県環境審議会鳥獣部会で、保護から管理に軸足を移した「第二種特定鳥獣(ツキノワグマ)管理計画案」(今年度から5年間)がおおむね了承された。

 管理対象への変更は推定生息数が増え、絶滅の危険性が低くなったため。県緑豊かな自然課によると、東中国地域(県東中部、兵庫県北西部、岡山県北東部)では、過度な捕獲などでツキノワグマが減少。1990年代初めには多くても推定150~200頭程度となった。各県とも対策に乗り出し、鳥取県も92年度から狩猟を自粛、2007年度から禁止した。

 捕獲しても殺処分せず、放してきたこともあり、推定生息数が増加。今春には推定651~1093頭(中央値は844頭)まで回復。16~19年度に兵庫県、17年度からは岡山県がそれぞれ狩猟を再開していた。

 鳥取県は改めて保護管理計画を作ることにし、今回の管理計画案をまとめた。

 同案は、人とのあつれきを軽減し、再び絶滅の危険性が高まらないようにすることを目的とし、推定生息数が800頭(中央値)以上の場合、狩猟禁止を解除するとしている。狩猟期間(通常は11月15日~翌年2月15日)を11月15日から30日間に短縮し、毎年度設定する捕獲数の上限を超えたか超えると予想される場合は、狩猟の自粛を要請することも明記した。

 13日の鳥獣部会では、県の担当者が野生動物保護の研究者や猟友会長ら5委員に概要を説明し、捕獲数の上限を決める方法や、農作物や人に被害が及ばないようにする具体的な方法について質問や要望が出たが、案そのものへの異論は出なかった。イノシシとニホンジカの今後5年間の管理計画案も審議され、イノシシは6千頭以上、ニホンジカは9千頭以上だった年間捕獲目標をいずれも1万4千頭以上に引き上げ、狩猟期間を約30日間延長することが盛り込まれた。農作物被害が収まらず、推定生息数も減っていないためといい、両案ともおおむね了承された。(石川和彦)