19歳で逝った息子、弓弦よ 「まあ、ええんちゃう」が聞きたいよ
河合真美江
「みなさんと同じ年ごろで私の息子は亡くなりました。親子であり、仲間でもあった。敬愛する人だった」
大阪府吹田市の会社経営者、横山正和さん(63)は3月17日、追手門学院高(同府茨木市)で体験を話した。国語教諭として以前勤めていた同校で医療・看護系を目指す2年生に向け「いのちについて考える授業」を頼まれた。くしくも19歳で亡くなった長男弓弦(ゆづる)さんの33回目の誕生日だった。
弓弦さんは東大2年生だった2008年9月、夏休みに友だちと東欧を旅し、スロバキアのドナウ川で川遊び中に流された。行方不明という電話が大使館からあり、横山さんは現地へ飛んだ。
自転車で河畔を捜し回った。8日目の夕方、たまらず川岸で「弓弦!」と呼んだ。すぐ後、対岸で遺体が見つかったと知らせが入った。
声が届いたんだな。一緒に日本に帰ろう。水の中でどんなに冷たかっただろう。ホテルであったかいうどんを息子の分と2杯作り、喜んだ。
現実に戻って悲嘆が押し寄せ…
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