公園にぽつんとたたずむ謎の塔 「ひょっとして…」と正体を確かめた

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西田有里
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 親子連れでにぎわう、さいたま市浦和区の調(つきのみや)公園。埼玉に赴任したばかりの記者(26)は散策中、園内の片隅にひっそりとたたずむ「塔」に目を奪われた。

 幅1メートル近く、高さ2・3メートルほどの灯籠(とうろう)のような形。屋根はこけむしている。

 見覚えのあるフォルムに、ピンときた。

 「ひょっとして、あの『ラジオ塔』!?」

ラジオの始まりとともに、いまは国の重文にも

 1925年に始まったラジオ放送。ラジオ塔はその5年後に、JOBK(現在のNHK大阪放送局)が大阪市の天王寺公園に初めて建てたのがはじまりで、全国に広がったという。

 NHKの「放送五十年史」によると、ラジオ塔は四角い石造りや木造。高さ2・8メートル、幅1・5メートルほどの塔が標準的な形だ。

 役割は「街頭ラジオ」だ。中にスピーカーが置かれ、スイッチを押すと放送が10分間流れて自動的に切れる仕掛けだったという。ラジオ体操、歌、漫才を流し、市民の人気を博した。

 記者が初めてラジオ塔に出会ったのは、前任地の兵庫県にある「中崎遊園地ラヂオ塔」(明石市)だ。1937年に建てられ、2013年に国の登録有形文化財に指定された。

 調公園の塔は、明石のものとそっくりだった。「ラジオ塔に違いない。遠く離れた埼玉でも、出会えるなんて……」。ドキドキしながら、近づいた。

 でも、背面に「寄贈」「昭和十五年 社団法人日本放送協会 三月建之」と刻まれたプレートが付けられているだけ。ラジオ塔であることを示す案内板は、どこにもなかった。

 自分で確信をつかみたくなった。

 公園を管理する市南部公園整備課に尋ねてみたが「公園内の灯籠(とうろう)」として管理しているという答えだった。市文化財保護課にも問い合わせたところ、「ラジオ塔かどうか、把握していない」。

 ただ、「浦和市史を読んでみ…

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