10兆円大学ファンド、「選択と集中」懸念 国際卓越研究大法成立
世界トップレベルの研究力をめざす大学を10兆円規模の大学ファンド(基金)で支援する国際卓越研究大学法が18日、参院本会議で可決、成立した。政府は最多5~7大学に年数百億円ずつを配る方針。低迷する日本の大学の国際競争力の復活をねらうが、どれほどの成果が出るかは未知数だ。大学間の「選択と集中」を強め、格差を広げる懸念もある。「稼げる大学」法案との批判もあった。
大学ファンドは岸田政権が掲げる「新しい資本主義」の大きな柱。財政投融資を主な原資にした10兆円の基金を株式や債券で運用し、その利益から年3千億円を上限に配る。支援を受ける「国際卓越研究大学」は大学の応募をもとに国が審査して認定する。国際的に優れた研究成果の創出や、年3%の事業成長、経営と研究を分離したガバナンス改革が条件だ。
日本の研究力は低下が指摘される。米英のトップ大学が独自の基金を充実させ研究力を飛躍的に伸ばしていることから、政府が10兆円規模の「官製」ファンドの創設を決めた。大学への民間投資を呼び込み、人工知能(AI)や量子といった最先端技術の実用化を促すねらいもある。支援を受ける大学には独自の基金を充実させ、将来的には支援なしで「自立」させる。
国会審議では、年3%成長の…
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