「空飛ぶサンショウウオ」発見 スカイダイビングのようにジャンプ
北米に生息するサンショウウオの一種が、「空を飛ぶ」ことがわかった。高い木から飛び降り、スカイダイビングと同じように体を広げて落下速度を遅くし、方向をコントロールすることができるという。米国の研究チームが23日、科学誌カレントバイオロジーに論文を発表した。
空飛ぶサンショウウオは世界共通の学名を「アネイデス・バグランス(Aneides vagrans)」といい、北米の森林に生息する。成体の全長は約13センチで、黒っぽい色をしている。
この種は、高さが約120メートルに達し、世界で最も高い木として知られるセコイアメスギの樹冠部まで登ることがある。樹上から素早くジャンプする行動が知られていたが、空気抵抗を受けやすいような大きな水かきは手足になく、詳しい飛行能力は謎だった。
そこで南フロリダ大などの研究チームは、下から上に向かって風を送る風洞を特注し、木に登ることが知られているサンショウウオ4種を入れて、どのように空気抵抗を受けて飛び降りるのか調べた。
すると、特にアネイデス・バグランスの飛行能力が高いことがわかった。計45回繰り返したすべての実験で、スカイダイビングのように手足や胴体を広げ、姿勢をコントロールしていた。落下速度を最大で10%減速させており、斜め横方向に滑空する動きも確認された。
論文は科学誌のサイト(https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(22)00602-9)に発表された。
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