球磨川水系治水策の公聴会に市民団体が抗議

長妻昭明
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 国と熊本県による球磨川水系の治水対策について、計画策定の進め方に市民らから異議が上がっている。

 13日、市民団体が県庁を訪れ、国と県が定めた「河川整備計画原案」に対する意見を住民に聞いた公聴会で、流域住民しか参加を認めなかったのは不適切だとして、国と県に広く意見を聞くよう要望した。これに対し、県はパブリックコメントに延べ455人が意見したとして「広く意見を募り、公聴会で流域住民から意見を聞いた」と主張した。

 市民団体は「清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会」など6団体。4月23~27日に流域10市町村で開かれた公聴会の参加者が流域住民のみで、意見を述べる公述人の募集が十分に周知されない上にわずか12日間で応募が締め切られたことを問題視。

 2007年の球磨川水系の治水方針を示した住民説明会は熊本市など流域外でも開かれたとして、「流水型ダムは県民全体に関わる問題なのになぜ今回は流域のみなのか。なるべく意見を少なくしようという姑息(こそく)な手段」と批判した。

 また、原案はネットや役場などで公表されたが住民説明会が行われなかったとして、「誰が100ページを超える原案を1人で読んで、理解できるのか。住民説明会がなければ、公聴会で意見を述べることもできない」と苦言も呈した。

 公聴会で発言した33人の意見を整備計画に反映することや河川整備計画案を定める際には説明会を開くことなどを要望した。

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 蒲島郁夫知事は18日の定例会見で、流水型ダムの建設を中心とした球磨川水系の治水計画について、「今は様々な意見が出ている段階。ただ、早く生活再建したいという方々は治水が完成しないと決断できない。時間をかけることには不安があると思う」と迅速に進める意向を示した。

 河川整備計画原案についての説明不足や公述人の募集期間が短いなど公聴会のあり方を指摘する意見があがっていることについては「常にみなさんの意見を聞く気でいる。同時にスケジューリングをやっていかないといけないので、そこのバランスが大事。それについての反対はしかるべきだ」と述べるにとどめた。(長妻昭明)