旦過市場火災1カ月 店舗の再開進み、課題はがれき撤去

城真弓、遠山武、山本大輔
[PR]

 【福岡】19日で火災発生から1カ月となる北九州小倉北区の旦過市場は、アーケード内の全面通行止めが解除され、被災を免れた店舗の多くが営業を再開した。最大の課題となっているがれき撤去に向けて寄付金が集まるなど、復興の動きが本格化している。

 「再び頑張って営業するので足を運んでほしい」

 飲食が楽しめるブルーパブ「ブラッスリー・ソーマ」の小尾拓師店主(49)は18日、来客を期待しつつ、約1カ月たっても焦げた臭いが周囲で消えないことを懸念した。店舗裏側のエリアは激しく焼けて大量のがれきが残り、強い臭いが漂う。被災したエリアへの立ち入りを防ぐために設置された仮囲いの間に小尾さんの店はあり、通常営業に戻るのが17日昼までかかった。約1カ月の休業による損害は大きいと頭を抱える。

 北九州市消防局は18日、火災で焼けた店舗数を43店舗から42店舗に修正したほか、焼損面積は1924平方メートルと当初の発表より103平方メートル大きかったと発表した。現地調査や、被災者らから提出された書類との照合などで判明した。

 店舗として計上した場所が住居だったため1店舗減り、店舗は計42店舗(うち空き店舗2店舗)、住宅は計5世帯9人となった。

 同市は相談窓口を設置し、営業再開に向けた支援にあたってきた。市商業・サービス産業政策課によると、被災店舗のうち、少なくとも3軒が仮設店舗や間借りするなどして営業を再開。6軒が仮店舗での営業再開のめどが立ち、準備を進めている。「現在の場所で営業再開したい」と、がれき撤去を待つ被災店主もいるという。

 今後どうするか未定だったり、閉店を考えたりしている店舗も約10軒ある。市は今後も引き続き相談窓口などを通じ、被災者の意向に沿った支援をする方針だ。

 市場内のアーケードの通行が自由となり、多くの店舗が営業再開したことで、今後はがれき撤去が最大の焦点となる。その費用の一部にあてるため、小倉中央商業連合会が主催するクラウドファンディング(CF)には、地元企業の第一交通産業やTOTOが1千万円ずつ寄付するなど、18日午後6時現在で1820を超える個人・団体から計3440万円余りが集まり、すでに目標額の1千万円を大きく上回った。

 市場周辺の商店街や商業施設内でも寄付を呼びかける看板が置かれ、市の担当者は「CFが終了する31日まで、様々な機会にPRする」。また、市の応援相談窓口には18日までに、市民や団体などからボランティアや寄付金、物資など121件の申し出があった。

 民間の支援も続く。ユニクロが販売する旦過市場Tシャツは、一部が旦過市場の復興支援に使われるとあって、問い合わせが相次いだ。もともとオンライン限定販売だったが、7日からは小倉駅前店での店舗販売を開始。店頭に並べるたびに売り切れ、品薄状態だという。

 がれきの総量や撤去費用の総額などはまだはっきりしていない。エリア別に3組織に分かれる被災42店舗などが、災害復旧に取り組むための「旦過地区復旧対策会議」を7日に発足させた。20日に設立総会を開き、規約や役員態勢を正式に決めるとともに、各店舗からがれき撤去や解体の同意書を取りまとめる。各組織は現在、撤去費用の見積もりを進めており、6月から撤去に着手する方針。費用は多額にのぼると見込まれ、寄付金を活用したいとしている。(城真弓、遠山武、山本大輔)