ランドセルから考える、色とジェンダー ピンクは、黒は、誰の色?

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 最近のランドセル売り場には色とりどりの商品が並び、「男子は黒、女子は赤」は過去の光景となった。今年のトレンドは「ジェンダーレス」だという。ただ、選択肢が増えて好きな色を選べるようになっても、男児は黒をはじめとした寒色系のシャープな色、女児はピンクや薄紫など暖色系や柔らかい色が多いようだ。

 ランドセルメーカーの土屋鞄(かばん)製造所(東京都足立区)は今年、顧客の好みの多様化に対応するため、約50色を用意した。特に人気なのは、昨年から展開を始めた「レコ」シリーズ(8万2千円~)だ。「自分らしい自由な色選び」を提案するランドセルで、「男の子の色」「女の子の色」というイメージを払拭(ふっしょく)する色味を意識した。黒、紺、落ち着いたトーンの赤、茶、グレーに、今年はオレンジなど3色を追加し、計8色に。昨年の売り上げトップ5のうち、四つをこのシリーズの商品が占めた。

 赤が欲しい男の子が「女の子カラーだから」とあきらめたり、女の子が黒やグレーを選びたいのに「男の子の色だよね」と言われたりする光景がみられるなか、誰でも好きな色を選べるようにと打ち出したという。

 ウェブサイトには男児が赤、女児が黒を背負う写真を載せている。「何を選んでもいいんだという価値観を伝えていけたら」(広報担当者)。

 同社が昨春、326人の保護者を対象に行ったアンケートでは、ランドセルの色について、「性別による固定観念をなくしたほうがいい」と答えた人が8割にのぼった。また、黒川鞄(富山市)が昨年、全国の4、5歳の子供800人に母親を通じて聞いたところ、男子の10人に1人が「赤色がほしい」と回答した。

 ランドセル工業会によると、戦後に赤と黒が一般的になり、2001年にイオンが24色を売り出したことで多色化が進んだといわれる。ただ、実際に購入されたランドセルの色をみると、色のバリエーションが増えても「男の子の色」と「女の子の色」を分けて考える意識は根強いようだ。

記事の後半では、京都精華大デザイン学部准教授の蘆田裕史さんと、日本文学研究者のロバート・キャンベルさんに、色と性別についての考えを聞きます。

 同会は、今春、小学校に入学…

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    中野円佳
    (ジャーナリスト)
    2022年6月2日8時58分 投稿

    【視点】家庭で我が子に、つくられた「男らしさ」「女らしさ」を刷り込まないようにと思いながら子育てをしていても、子どもは社会的な環境で育つもの。保育園や学校、メディア、商品などの影響を排除することは難しく、うちの子たちも見事に記事にあるような「男の子

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