北大西洋条約機構(NATO)が18日、北欧への拡大に向け、一歩を踏み出した。ロシアと1300キロ以上の国境を接するフィンランドと、ロシアとバルト海をはさんで向かい合うスウェーデンが加われば、NATOの対ロ防衛ラインは増強される。自らのウクライナ侵攻により今回の事態を招いたロシアは、安全保障戦略の見直しを迫られる可能性がある。(パリ=疋田多揚)
「我々はすでにバルト海で警戒を続けている。あなた方がNATOに加盟すれば、我々の安全保障は高まることになる」
NATOのストルテンベルグ事務総長は18日、フィンランドとスウェーデンのNATO大使から加盟申請書を受け取ると、そう述べて歓迎した。
その理由の一つが、ともに徴兵制をとる両国の軍事力だ。英国際戦略研究所(IISS)の報告書「ミリタリーバランス」によると、フィンランドの現役兵力は1万9250人。同国では18歳以上の男子に兵役を課しており、予備役は23万8千人にのぼる。
スウェーデンは現役兵力1万4600人、予備役1万人のほか、航空機製造のサーブ社を抱え、最新の軍事技術を持つことで知られる。
バルト海に浮かぶ「不沈の空母」
両国の地理的状況もNATO…
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