ロシアの侵攻、有田焼に影 輝く素地に鮮やか色つけ 魅力が悩みに

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村上英樹
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 有田焼をはじめとする佐賀県内の磁器生産に、ロシアのウクライナ侵攻が影を落としている。焼成の燃料となるLPガスの価格が高騰し、磁器の色つけの原料パラジウムも不足――。新型コロナ感染症の流行で需要が落ち込む中での新たな打撃に、「先が見えない」と不安の声が上がる。

 「燃料費が例年より6割ほど高い。6月からさらに値上げの可能性も購入先に言われた。死活問題だ」

 田清窯(有田町)の社長で、県陶磁器工業協同組合の田中亮太副理事長(55)はそう漏らす。有機化合物ブタンとプロパンを混ぜたLPガスの高騰が止まらないからだ。

 12日には、東京の国会近くの衆議院の議員会館で、田中社長ら全国の陶磁器産地の窯元らが、地元選出の国会議員や経済産業省の官僚らを前に窮状を訴えた。

 有田焼などの磁器では、焼成にガス窯が使われるのがほとんどだ。ろくろで精巧に成形された素地に鮮やかな色つけを施すのが磁器の大きな特徴。「土もの」とよばれる陶器づくりで使われる薪(まき)窯で焼くと、灰や風の影響で素地の表面にムラができるおそれがあるためだ。

 日本LPガス協会(東京)によれば、プロパンの輸入価格の平均値は今年3月時点で、1トンあたり約9万8千円。昨年同時期の約6万5千円から約1・5倍に膨らんだ。ロシアがウクライナに侵攻した2月からの1カ月間で約9600円も上昇。ブタンもほぼ同じ価格で推移する。

 LPガスは、石油や天然ガスの精製過程などでとれる。近年、脱炭素化の流れで原油の産出量が抑えられるなどし、原油価格の上昇とともにLPガスの価格も高くなる傾向はあった。

 それに拍車をかける要因とな…

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