東電で処分を受けた原発責任者が副社長に 日本原電「教訓いかせる」

宮川純一
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 原発専業の日本原子力発電(原電)は19日、東京電力ホールディングス(HD)で原発責任者を務めた牧野茂徳氏が、6月30日付で代表権のある副社長に就く人事を発表した。牧野氏は東電の柏崎刈羽原発新潟県)でテロ対策の不備が相次いだ問題で処分を受けている。

 牧野氏は東電HDで2017年から原子力部門を統括する原子力・立地本部長を務めたが、柏崎刈羽原発でテロ対策にかかわるIDカード不正使用などの問題が相次ぎ発覚し、昨年9月に減俸処分を受け、取締役も辞任した。

 原電の村松衛社長はこの日の会見で、牧野氏について「退任の経緯はコメントする立場にない。彼はずっと柏崎刈羽の安全対策工事の先頭に立ってきた。教訓は生かしてもらいたい」と説明した。15年から原電の社長をつとめる村松氏も東電出身。

 東電の柏崎刈羽原発と同じように、原電の東海第二(茨城県)と敦賀2号機(福井県)も再稼働のめどが立たない。東海第二は、避難計画が不十分として昨年3月に水戸地裁で運転差し止めを命じられた。敦賀2号機では再稼働に向けた審査資料を無断で書き換えたため、原子力規制委員会の審査が中断している。

 原電がこの日発表した22年3月期決算は、売上高が前年比3・5%減の929億円、純利益が同11・2%減の24億円だった。東海第二と敦賀2号機は発電していないが、電気の卸売先である東電など大手電力5社から基本料金906億円を受け取り、5年連続の黒字を確保した。(宮川純一)