日本唯一の「烏梅農家」、黒が生む鮮やかな紅色 口紅開発にも挑戦

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渡辺七海
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 薬や染め物などに使われてきた梅の燻製(くんせい)「烏梅(うばい)」を作る、最後の農家が奈良市の月ケ瀬にある。10代目の中西謙介さんは烏梅の価値を広めたいと、会社員を辞めた。クラウドファンディングでの支援などを元に、烏梅を使った口紅を作る取り組みも始めた。

 「1千キロの梅を烏梅にすると、150キロくらいに軽くなります」。中西さんが製造場所を見せながら説明する。

 烏梅の製造は7月、完熟して落下した梅に、すすをまぶすところから始まる。一昼夜いぶし、1カ月半乾燥させる。そうして真っ黒でしわしわの烏梅が完成する。薪にクヌギを使うのも機械を使わないのも、受け継いできた製法を守るため。「もう少し効率の良いやり方もあるんでしょうけど、伝統製法で作ることに価値があると思っています」

 烏梅の酸とベニバナの持つ色材が反応することで、紅色の染料ができる。かつては染め物や口紅、ほお紅に使われた。だが明治以降、化学染料の台頭と共に需要は激減。現在、染料として主に使うのは、全国で3軒の染色家のみだ。

 需要が減るにつれて、作り手…

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