「街から書店がなくなったから」 建築家は本屋さんになった
天野光一
【愛媛】「街から書店が失(な)くなったから古書・新書・書籍店はじめました」
松山市の中心街にある事務所の入り口に、こんな文言を書いたポスターが出現した。レトロな双発旅客機を窓ガラスにプリントした、カフェのような外観の店。ウィンドーをのぞくとおしゃれなデザインの本の表紙が並ぶ。「何の店だったかな」と時折立ち止まる人もいる。
ドアを開けると、ポスターの作者である店主が穏やかな表情で迎えてくれる。建築家・アートディレクターの山田徹さん(67)だ。
「書店は街の顔ですから、大切なものです」。店頭のポスターの意味を聞くと山田さんはこう切り出した。
今年、店の近くにあった大手のジュンク堂書店松山店が移転し、アーケード街にあった老舗の明屋(はるや)書店松山本店が閉店した。「地域課題の解決」を仕事のモットーに掲げる山田さんの心にひっかかりができた。
商品となる本はあった。仕事…
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