国営取水施設390カ所、緊急点検へ 農水省
愛知県豊田市の取水施設「明治用水頭首工」で大規模な漏水が起きた問題で、農林水産省は20日、全国の国営取水施設390カ所を緊急点検すると発表した。水道水や工業用水の供給もしていたり、水を受ける農地面積が大きかったりする約50カ所を優先的に点検するという。
金子原二郎農水相は20日の閣議後会見で、「必要に応じて保守などもし、農業用水などの安定供給に努める」と強調。このほかの取水施設についても都道府県に点検を依頼するとした。20日には同省の局次長を東海農政局に派遣し、「陣頭指揮をとりながら、対策を加速化させる」と説明した。
金子氏によると、明治用水頭首工の農業用水を使う水田は4730ヘクタール。このうち作付面積の4割を占めるコシヒカリは田植えが終わったが、ほかの品種はこれからといい、「断水が長引けば、影響が懸念される」と指摘した。また、工業用水が優先再開したことについて、「現場の判断にお任せした。当然現場が一番状況はわかっている」と理解を示した。(前川浩之)
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