名作「ショーシャンクの空に」 なぜいま地上波で? 日テレPの思い
日本テレビの「金曜ロードショー」(毎週金曜夜9時)が、見たい映画のリクエストを受け付ける企画に取り組んでいる。20日の放送は「ショーシャンクの空に」。動画配信サービスが普及する中、「みんなで映画を見る楽しさ」を知って欲しいと始めたという。
「金曜リクエストロードショー」は「もう一度見たい映画」や、「世代を超えて多くの人に見てもらいたい映画」を期間限定で募集する企画。今回が5回目で、2020年5月放送の「天使にラブ・ソングを…」を皮切りに「バック・トゥ・ザ・フューチャー」全3作、「E.T.」、「スタンド・バイ・ミー」などの名作を計9本放送した。
プロデューサーの北條伸樹さんによると、20年1月にアニメ「名探偵コナン」シリーズの映画の中から見たい作品を募ったことが始まりだった。50万票以上のリクエストがあるなど想像以上の反響で、対象を他の作品にも広げたという。
5回目となるリクエスト企画で人気だったのが、今回の「ショーシャンクの空に」だった。
1994年の米映画。翌年の米アカデミー賞では7部門にノミネートされたものの、6部門でオスカーを得たトム・ハンクス主演「フォレスト・ガンプ/一期一会」の陰に隠れて受賞はならなかった。しかしその後も息長く愛され、30年近く経った現在でも、米映画情報サイトの「IMDb」でユーザーが評価する「史上最高の映画」のランキングでは「ゴッドファーザー」などを退けて1位(19日時点)。258万人以上の投票で10点満点中9・3点という高評価を得ている。
「文化的、歴史的、芸術的」に重要な映画として、フィルムを永久的に保存する「米国立フィルム登録簿」にも2015年度に登録されている。日本でも、映画誌「キネマ旬報」の1995年度ベスト・テンで、外国映画1位、読者選出のベスト・テンでも外国映画1位だった。
金曜ロードショーへのリクエストにも、ファンの思いが書き添えられているといい「見るだけで希望をもらえます」「みんなで観(み)て盛り上がりたい」などのコメントが番組ホームページでも紹介されている。過去のリクエスト企画でも、熱い思いが寄せられてきたという。
「地上波の価値」に視聴者とプロデューサーの思い
こうした企画に取り組むのは、「地上波で映画を見る価値」づくりの一環だと北條さんは話す。「配信だと自分の好きな作品に偏ってしまうが、地上波なら『見てみたら意外と面白かった』という出会いを作れる」
何よりも大きいのは「色んな…