ロシアなど旧ソ連の構成国6カ国でつくる軍事同盟「集団安全保障条約機構」(CSTO)の首脳会議が16日開かれた。条約締結の30周年を祝う会議だったが、テレビ中継された冒頭の各国首脳の発言から見えたのは、同盟国間の不協和音だった。ロシア軍が侵攻したウクライナで苦戦するなか、プーチン大統領の孤独は深まっている。
「現在、我々は連帯と支援の絆で結ばれていると確信できますか?」
モスクワのクレムリンで開かれた首脳会議。最初に発言したベラルーシのルカシェンコ大統領は、各国首脳に問いかけた。
CSTOの加盟国はロシア、ベラルーシ、アルメニア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン。記念の会議だというのに首脳らに笑顔はなく、一様に硬い表情で座っている。
ロシアとベラルーシを除く4カ国はウクライナ侵攻に関して「中立」の立場を取る。国連総会のロシア非難決議の採決でも反対せず、棄権していた。
ルカシェンコ氏は「仲間の暗黙の了解のもと、ベラルーシとロシアは侮辱され、国際機関から排除されている」と不満を示し、「我々が共同戦線をはれば、このようなひどい制裁は無かったと確信している」と批判した。
議長国・アルメニアのパシニャン首相からは、発言の時間を3~5分と言われていたが、ウクライナや欧米への批判にも時間を割き、約16分に及んだ。
もっとも、「欧州最後の独裁…
【視点】CSTO首脳会議で採択された共同声明でNATOに触れた部分は、意外にも前向きな表現でした。それは、以下の通りです。 「ユーラシア地域の永続的な平和を保障する責任を認識し(中略)NATOとの実務的な協力を確立する用意があることを確認する」