秋田県藤里町の国有林に自生していた、通称「400年ブナ」が倒れ、東北森林管理局が20日、現地調査した。木は樹齢400年以上とされ、白神山地の秋田側のシンボル的な存在だった。樹勢が衰えていたうえに、風雪に耐えられなかったとみられ、根元から折れていた。
400年ブナは標高620メートル付近の岳岱(だけだい)自然観察教育林にあり、太さ1・54メートル、幹回り4・85メートル、樹高26メートル。表面はこけむしている。一般的なブナの寿命300年前後よりはるかに長寿といわれ、林野庁の「森の巨人たち百選」にも選ばれた。
関係者によると、このブナ林一帯は50年ほど前に伐採が予定されていたが、白神山地(1993年に世界自然遺産に登録)の保護運動に打ち込み、昨年12月に91歳で亡くなった故・鎌田孝一さんが保全を訴え、伐採を免れたという。
老木の異変に最初に気づいたのは、秋田白神ガイド協会長の斎藤栄作美(えさみ)さん(72)。3月21日、いつも立っている木が見当たらず、こんもりとした雪山があった。現地調査に立ち会った斎藤さんは「『あー、逝ってしまったか』と驚いた。鎌田さんの後を追うようなタイミングでもあり、天寿を全うしたということでしょう」と語った。
東北森林管理局によると、4…
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