だれかがいたずらしたのだろうか、近所の道に散らばったジュースの瓶の割れた破片を、こんなことして子供がけがしたらどうすんねんといらいらしながらトングで片付けているあいだ、私の頭の中には自分が子供の頃ふざけて放り投げて遊んでいたガラス瓶が天高く弧を描き、何十年もの時間を超えて今ここで砕けたのだという空想があった。
日に照らされてキラキラ光るガラス片の中にはあの時の自分の行為が琥珀(こはく)の中の小虫のように封じ込められていて、その後始末を今になってさせてもらっている、というような。
5月某日。なんでも早めに体験させた方がよいと思い、子連れで立ち食いそば屋に入った。
6歳の児童にとってもっともハードルが高いのはカウンターである。なにせ背が届かない。
事前にホームセンターで丈夫…
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