目で映像操るALSのクリエーター「パラ開会式はあくまでスタート」

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聞き手・石平道典
【動画】視線入力と音声合成ツールを駆使し、インタビューに答える武藤将胤さん=伊藤進之介撮影
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 昨夏の東京パラリンピック開会式で、電飾のデコトラの先頭に陣取る男性がいた。難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)と闘いながら、目の動きで音楽や映像を操るクリエーターの武藤将胤(まさたね)さん(35)だ。主人公の「片翼の小さな飛行機」を演じた車いすの和合(わごう)由依さん(14)らとともに、ミュージックビデオ(MV)の制作に取り組んでいる。式から1年となる今年8月24日に公開予定のMVに込める思いを、武藤さんに聞いた。

 むとう・まさたね 1986年生まれ。広告会社のプランナーだった27歳のとき、ALS(筋萎縮性側索硬化症)と宣告された。創作活動の傍ら、ALSの啓発や支援などに取り組む。東京パラリンピック開会式には、「EYE(アイ) VDJ(ビデオ・ディスク・ジョッキー) MASA」を名乗って出演した。

 ――開会式で、武藤さんは具体的に何を演じていたのですか。

 僕は主人公の「片翼の小さな飛行機」の少女に空を飛ぶ勇気を伝える、「光の集団のリーダー」というキャラクターを演じていました。全世界にストーリーが伝わるように、言葉ではなく音楽によるコミュニケーションというテーマがあったんです。デコトラの効果音や様々なサウンドを提案しながら、キャラクター作りを皆さんとともにしていきました。

 ――和合さんと共演した感想を。

 開会式のストーリーの中で、僕と由依ちゃん、つまりデコトラと片翼の小さな飛行機の出会いは、ストーリーを象徴する重要なシーンと演出チームに言われていました。そんな背景もあって、初めて由依ちゃんとリハーサルで出会えたときは、すごく喜び合った記憶があります。リハーサルも本番中も、つねに僕はデコトラから由依ちゃんを見守っていましたが、表現者として日に日に成長していく由依ちゃんを見て、僕も刺激をもらいました。

 これからも由依ちゃんとは…

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