男女の賃金差、日本はなぜ大きい 開示義務づけで解消は進むのか
稲垣千駿、上地兼太郎、編集委員・沢路毅彦
企業が従業員に支払う賃金は男性と女性とでどれぐらい差があるのか、政府が企業に開示を義務づける方向となった。日本は先進国の中でも男女の賃金差が大きい。開示義務づけによって、格差の解消は進むのか。
男性は33・7万円、女性は25・3万円。2021年の賃金の平均額(賃金構造基本統計調査)は、これだけの差がついた。年々その差は縮まっているものの、女性は男性の75%程度の水準にとどまる。
女性は賃金の安い非正規労働で働く割合が高い、勤続年数が短いので正社員でも賃金が低い、管理職が少ない……。賃金格差の理由は、これまでさまざまに指摘されてきた。
労働力調査などによると、役…
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- 【視点】
■会社と社会のどちらが悪なのか 数字の裏側こそ読むべきだ 何かを変えるには、物事をガラス張りにすればいい。男女の賃金格差開示義務づけは大きな一歩ではある。ただ、この手の指標はその背景を読まなくてはならない。気をつけなくては数字が独り歩き