兵庫県が明石市長の申し立てを棄却 工場緑地率の規制めぐり

天野剛志
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 【兵庫】工場内の緑地率の規制をめぐり、明石市の泉房穂市長が、緩和する市議会の議決を違法として県に議決取り消しを求めた審査申し立てについて、県は20日、「法令違反は認められず、棄却する」との裁定結果を公表した。泉市長は、憲法などが求める市民参画の手続きが不適切などと主張していたが、同日、裁定に応じて条例を公布した。

 工場立地法によると、一定規模以上の工場は敷地内の緑地を20%以上確保する必要があるが、規制緩和で緑地率を引き下げる自治体が相次ぐ。明石市でも経済団体からの要望を受け、議員が緑地率の規制を5~10%以上に引き下げる条例案を提出し、2月に賛成多数で可決された。

 これに対し、泉市長は、条例案の提出にあたり、市民参画の手続きが適切に実施されなかったほか、SDGs(持続可能な開発目標)の理念にも反すると主張。2月末に県に審査の申し立てをしていた。

 審査では、学者ら3人の自治紛争処理委員が審理し、その意見を踏まえて斎藤元彦知事が裁定。「憲法などに市民意見の聴取などを義務づける明文の規定はない。SDGsは法規範性を有しない」と棄却した。

 取材に応じた泉市長は「私のスタンスは変わらないが、県の判断を重く受け止め、議会の議決を尊重する」と述べた。(天野剛志)