渡辺名人の大局観、斎藤挑戦者の秘める闘志 小林裕士・副立会は見た

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構成・北野新太

 第80期将棋名人戦七番勝負の第4局は、渡辺明名人(38)が挑戦者の斎藤慎太郎八段(29)に勝った。副立会人を務めた小林裕士七段はどう見たのか。斎藤八段が研究会でおかしい手を指された時に見せた「熱い部分」もご紹介します。

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 渡辺名人が終盤で指した△4六銀打(86手目)には「なるほどぉ~」と感激しました。銀を重ねて打つのは筋悪に見えますけど、指されてみると「盤上この一手」に映ります。

 感想戦では代えて△4六金▲4九桂△3六角の変化なども調べられましたが、△4六銀打として以下▲同銀△同金▲4九桂に△5六銀と歩を取って前に出れば上部が手厚くなって負けない、という感覚が素晴らしい。大局観が優れていないと思い浮かばないです。

 序盤にも印象的な手があります。いかにも用意の狙いを感じさせる斎藤挑戦者の▲8六歩(59手目)に対し、堂々と△同飛と応じた一手です。「やってこい」という誘いに乗るわけですから、普通は怖いところなんですけど「上等だよ。そんな手でいいの?」と語っているようでした。本局の両者には、終始そのような雰囲気があったように思います。

 穏やかな人柄の斎藤挑戦者は…

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