第1回全てを変えた2月24日 夫残し日本へ 「子どものために強くなる」

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森岡みづほ
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 ゴールデンウィーク明けの東京・秋葉原は青空が広がり、スーツを着た人たちが足早に会社へ向かう。

 オフィス街から少し離れたマンションの前で、青色のランドセルを背負い、黄色い帽子をかぶったヤン(8)が母親のオルハ・ジュラベル(44)にだだをこねていた。オルハが仕事に行くのが嫌だという。ピンクのランドセルを背負ったオリビア(11)が、弟の機嫌が直るのを待っていた。

 説得がかなわずオルハは2人を抱きしめた後、仕事へ行ってしまった。ヤンはふっきれたように走り出し、オリビアが追いかける。2人のランドセルが揺れる。小学校の校門前で友人に会うと、オリビアは慣れた様子で、「おはよう」と日本語であいさつした。

【連載】日本に逃れて 抱える思い

ロシアのウクライナ侵攻から3カ月。終わりの見えない戦争によって日本でも約1千人のウクライナ人が避難生活を送る。彼らのいま、そして同様に戦禍などを逃れて日本で暮らすアジア各国の人たちのいまを6回の連載で紹介します。

 母のオルハが向かったのは、東京都江東区にある運輸大手「西濃運輸」の東京支店だ。倉庫の大きな窓からは光が差し込み、青い空と海が広がる。

 窓際に座り、オルハは黙々とチラシを透明の袋に入れる作業を始めた。後から出勤してきた日本人の同僚が窓を指さす。「暑くない?」と言っているようだ。オルハは「大丈夫」と伝えるため笑顔で頭を振った。

 オルハとオリビア、ヤンは、長女のエベリナ(20)と4人で3月19日、ロシアの侵攻が続くウクライナから、東京へ避難してきた。

一度は離婚も考えた でも今はこんなに…

 オルハは旧ソ連時代の197…

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