ウクライナ兵の退避数、ロシア側が「水増し」か 米の研究所が指摘

有料会員記事ウクライナ情勢

ウクライナ西部ブコベル=坂本進
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 ウクライナ兵が抵抗を続けてきたウクライナ南東部マリウポリの製鉄所「アゾフスターリ」について、ロシア国防省が完全制圧を発表した。製鉄所から出たウクライナ兵はロシア側支配地域に移送されており、今後、どのように処遇されるかは不透明な状況だ。

 ロシア国防省によると、今月16日以降、製鉄所を出たウクライナ兵は計2439人に上るとしている。こうしたウクライナ兵について、ウクライナ側はロシア兵の捕虜と交換する意向を示していた。だが、ロシアの連邦捜査委員会は17日、「民間人に対する犯罪への関与について確認する」などと主張し、尋問する予定だとSNSで発表。ロシア議会では、「ナチスの犯罪者」とみなした兵士について捕虜交換を禁じる法案を準備する動きもある。

 ロシアメディアは製鉄所を拠点としてきたウクライナ内務省軍の部隊「アゾフ連隊」を「ネオナチ」と批判しており、法案は同連隊を念頭に置いているとみられる。ロシア下院のボロジン議長は17日、「ナチスの犯罪者は(捕虜と)交換してはならない。戦争犯罪人の彼らを裁くため、全力を尽くさねばならない」とSNSに書き込んだ。ロシアは死刑の執行を停止してきたが、「重大な戦争犯罪には例外として死刑を適用できるようにすべきだ」と主張するロシア議員もいる。

 一方、米シンクタンクの戦争研究所は20日、「ロシアは(製鉄所から出た)ウクライナ兵の人数を実際より多く発表している可能性がある」との見方を示した。国際赤十字委員会に捕虜として登録されたウクライナ兵は、20日時点で数百人にとどまるという。「捕虜交換でより多くのロシア兵を連れ戻すため」とみている。また、数百の兵士の制圧に1カ月以上かかったことへの批判をかわす狙いもあるとみている。

 製鉄所の地下シェルターに2…

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