関東第一は8強入り、二松学舎大付は初戦で涙 春季関東高校野球

武田遼 本多由佳
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 第74回春季関東地区高校野球大会(関東地区高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)が21日、栃木県で開幕した。東京都勢の関東第一(東京1位)は甲府城西(山梨2位)に完封勝ちし、二松学舎大付(東京2位)は粘りを見せたが山梨学院(山梨1位)に敗れた。関東第一は23日、健大高崎(群馬2位)と対戦する。

二松学舎大付―山梨学院

 ◎…二松学舎大付は終盤、打線が粘りを見せた。七回2死から柴田壮、瀬谷の連続長打で1点を返し、八回は大矢、親富祖、小林の3連打で2点を奪って追い上げた。先発辻は制球が定まらなかった。

 山梨学院は主軸の連打で先制。犠打や盗塁も絡め13安打で8点を奪い、3投手の継投で逃げ切った。

打っても守ってもチームを鼓舞 二松学舎大付・小林幸男主将

 リードされた展開で追加点を奪われ、さらに2死一、二塁のピンチが続く四回裏。二松学舎大付の主将、小林幸男(3年)は先発の辻大雅(同)が「落ち着いて投球できていない」と感じてタイムを取った。一塁からマウンドへ駆け寄ると、辻の顔をのぞき、声をかけた。「野手が点をとるから大丈夫」。辻は後続を内野ゴロに打ち取った。

 小林とチームの目標は、「監督を日本一にする」。だが今春の選抜では、守備からリズムを作る持ち味を発揮できず、初戦で敗退。小林は「チームプレーができず、大事な場面で慌ててしまった。自分たちから崩れた」と振り返る。

 大舞台での苦い経験があったからか。マウンドに向かう小林の姿に、市原勝人監督は「劣勢でも諦めないよう、チームを導いている」と目を細めた。

 小林は打っても2打点と気を吐いた。3点を追う六回表2死一、二塁の場面。三振に倒れた前打者の親富祖凪人(同)から「なんとか頼む」と託された打席で、左前適時打。八回表無死三塁でも、左前に運んで最後まで粘りを見せた。

 試合後、「持ち味の野球は今日も出来なかった」と肩を落としたが、最後にこう引き締めた。「夏の大会までにそれぞれ課題を自覚したい」(武田遼)

甲府城西―関東第一

 ◎…初回に中軸の連打で先制した関東第一が逃げ切った。一回、井坪の右中間適時三塁打や増尾の適時打などで3得点。三回には秋葉の本塁打で差を広げた。先発成井は球を低めに集めて散発5安打で完封した。

 甲府城西のエース末木は四回以降は無失点の力投だったが、打線が終盤の好機であと1本が出なかった。

目標の140キロ超えも 関東第一・成井颯投手

 九回2死二塁。マウンドに立つ関東第一の成井颯(3年)はこの日初の長打を許しても落ち着いていた。「点差もある。野手もいる。大丈夫」。自分自身にそう語りかけ、目の前の打者に集中すると、最後の打者を一ゴロに打ち取った。127球での完封勝ちだった。

 よく腕が振れたという。ボールが先行しても、得意のスライダーで相手の狙いをうまく外した。7奪三振で、4イニングを三者凡退に抑え、試合を作った。目標の140キロ超えも果たし、米沢貴光監督は「力を発揮してくれた」と右腕をねぎらった。

 冬場から瞬発力を高めるダッシュや遠投に励んできたのは、まだまだ先を見据えるから。「球速を145キロくらいまで上げ、緩い球で空振りもとれるようになりたい」。甲子園のマウンドで夏を迎えるため、ここで止まるつもりはない。(本多由佳)