バチバチの初対面…からの? 赤井英和の受験番号を雅が忘れないわけ
土井恵里奈
新生活が始まる春は、出会いに満ちている。すぐ意気投合する場合もあれば、そうでないことも。最初はバチバチでも、後々まで続く友情もある。芸歴40年の芸人トミーズが語る、縁の不思議さとは。
雅には、いまだに忘れられない数字がある。
291。半世紀近く前に受けた、高校入試の受験番号だ。自分の番号じゃない。
赤井英和、後の人気ボクサー「浪速のロッキー」の――。
友達でも知り合いでもなかった。地元も別で、雅は大阪・生野出身、赤井は西成で育つ。
メンチを切ってから
接点のない2人が出会ったのが、高校入試の会場だった。
当時15歳、雅はいまも鮮明に覚えている。会場で赤井を見て、「メンチを切った」から。
トミーズ40年「愛してるねん、お笑いを」 2人だからやってこれた
芸のためなら己も泣かす。顔で笑って心で泣いて。今に見てみい。天下取ったる。舌一本、笑いに生きてこそ芸人。ギラつく火花に照らされ、吉本興業は110周年を迎えた。夢も金ものみこんで、さあ、あほのてっぺんへ――。「笑いに生きる」人たちの群像を描く連載の第1回は「トミーズ」の2人。
小学校から地元の番長だった雅から見ても、赤井のオーラは飛び抜けていた。
足を机に投げ出し、弁当をかきこんでいる。
強そうだ………