カープ「鬼門」を前に息を吹き返す 天敵を砕いた堂林の観察眼と意地

広島東洋カープ

辻健治
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(22日、プロ野球 広島東洋カープ1―0中日ドラゴンズ)

 0―0と膠着(こうちゃく)していた六回、広島ベンチが動く。先頭で代打に堂林翔太を送った。無失点だった先発アンダーソンに代えてでも、打開策を打つしかなかった。

 中日のマウンドに立ち続ける柳裕也は、顔も見たくないような相手だ。今季2度の対戦で1完封を含む2勝を献上した。計16イニングで1点も奪えていない。この日も五回まで四球一つに内野安打1本といつものように抑え込まれていた。

 堂林も昨季は柳に対し、5打数無安打4三振。今年5月1日の対戦で1安打を放ったものの、点を奪わなければ意味はない。「ベンチで投球を見ながら狙い球を絞っていた」と堂林。

 2球目、136キロのカットボールに反応し、左翼席上段へ運んだ。2014年4月以来、自身8年ぶりとなる代打本塁打に「塁に出れば流れが変わると思ったが、最高の結果になった」とほおを紅潮させた。

 直前の巨人3連戦。初戦に逆転サヨナラ負けし、3タテを食らった。以前の広島なら一気に下位へ転落しかねない状況で迎えた中日戦だった。3連勝と本拠で息を吹き返した。

 殊勲の堂林は今季、1番を打つ時期もあったが、最近は若手とのレギュラー争いに屈し、控えに甘んじることが多かった。「結果を出した選手が使われる。またスタメンで出られるように貪欲(どんよく)に準備したい」

 広島にとって鬼門の交流戦が始まる。このしぶとさが本物かどうか。真価が問われる。(辻健治)