聴覚障害の高校生チーム2位 国内初、ハンドサインでボート大会出場

林利香
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 滋賀県立聾話(ろうわ)学校(栗東市)高等部の生徒たちが22日、大津市関西みらいローイングセンター(県立琵琶湖漕艇(そうてい)場)で開かれた「大津市民レガッタ」に出場した。聴覚に障害のある人が国内のボート大会に出場するのは初めて。生徒たちは、同乗した教諭のハンドサインを見ながらボートをこぎ、競技を楽しんだ。

 生徒たち3人がパラの部に出場した。東京パラリンピックに出場した西岡利拡(としひろ)選手(50)らもこぎ手に加わった。こぎ手4人に加え、舵手(だしゅ)とハンドサインを出す教諭がボートに乗り込んだ。

 レースは6艇で行われた。舵手から「キャッチ(用意)」「ロー(こぎ出せ)」のかけ声が飛ぶと、教諭が身ぶり手ぶりでハンドサインを出した。生徒たちはそのサインを見て懸命にオールをこいだ。2レースに出場し、結果はいずれも2位だった。

 伊藤潤さん(3年)は「緊張したけれどこぎ始めたらボート競技の楽しさを感じられた」。青山颯太さん(1年)は「ボート競技を通じて協力することを学べた。来年もやりたい」と話した。高田優貴さん(3年)は「仲間とひとつになれる良い経験になった。ハンドサインがあれば、障害に関係なくみんなで楽しめると思った」と話した。

 レースを見守った父親の高田栄亮さん(46)は「いい顔をしていた。息子にとっては自信になったと思います」と話した。

 西岡選手は海外の遠征から17日に帰国したばかり。「生徒たちの新しい挑戦に協力したいと思い参加したが、大会に向けてしっかり練習してきたことが伝わった。僕もパラリンピックに出るまでに14年かかった。生徒たちも諦めずに挑戦していってほしい」と話した。

 舵手を務めた桑野造船社長の小澤哲史さん(64)は「まだスタートラインについたばかりだが、ハンドサインがあれば耳が聞こえないのは不安材料ではない。安定してしっかりこげると実感した」と話した。(林利香)