更年期のホルモン補充療法、乳がんのリスク「小さい」 新たな薬も
日本人の平均的な閉経年齢は、個人差もあるが、約50歳といわれる。閉経前後の計10年間を「更年期」といい、症状が重く、日常生活に支障を及ぼす状態を「更年期障害」という。
東京医科歯科大学の寺内公一(てらうちまさかず)教授は、更年期の特徴について「多彩で、あらゆる症状が同時に出ること」と説明する。ほてりや発汗、肩こりなどの身体的症状から、不眠やいらいらなど精神的症状までさまざまだ。
主な原因は、女性ホルモン「エストロゲン」がゆらぎながら低下することだが、成育歴や性格といった心理的因子、家族や職場関係などの社会的因子が複合的に関わり、発症するとされる。
薬を使う治療は主に、エストロゲンを補う「ホルモン補充療法」(HRT)、漢方薬、向精神薬の三つがある。連載に登場した女性の主治医で池上レディースクリニック(東京都足立区)の池上芳美(いけがみよしみ)院長は「甲状腺など他の病気の可能性を除きながら、個人が抱える問題やホルモンの状態にあった『オーダーメイドの治療』をする」と話す。
HRTは飲み薬や貼り薬、塗り薬があり、特に、のぼせ、ほてりに効くとされるほか、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の予防効果もある。エストロゲンは単独で使うと子宮体がんのリスクが上がるため、原則、黄体ホルモンを併せて使う。
ホルモン補充療法、見直されているがんのリスク
HRTは一時期、「がんのリ…
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