ハチに巣つくられた仁王像が「入院」 顔などに変色、解体修理へ

清水謙司
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 「仁王立ち」はしばらく休みます。奈良県葛城市当麻寺で20日、文化財の大きな仁王像を運び出す作業があった。ニホンミツバチが巣をつくるなどして損傷が進み、修理することになったからだ。引っ越し先の天理市の「なら歴史芸術文化村」で修理される。

 寺の仁王門には、阿形(あぎょう)と吽形(うんぎょう)と呼ばれる木造の金剛力士像が立つ。像高約3・4メートル。江戸時代の作で市指定文化財だ。うち、阿形像はミツバチが約30年前から巣をつくり、玉眼の汚損や顔部分の変色などの影響が出ていた。経年劣化も進んでいたため、解体修理する。昨年5月には、ミツバチが巣をつくっていた頭部を取り外す作業があり、話題となった。

 20日の作業では、頭部などが既に外された阿形像の体部が搬出された。文化財の破損を防ぐため梱包(こんぽう)された像が門から移動するときは、普段は見ることのできない足の裏が見えた。当麻寺の川中教正さんは、「子供の時より損傷が激しくなっている。寺や参拝者を見守る姿で戻ってきてもらいたい」と話した。

 なら歴史芸術文化村は文化財修復・展示棟も備えていて、修理の様子を一般公開する予定だ。阿形像の次は、吽形像も修理する計画がある。(清水謙司)