大学の「美女美男図鑑」、井本直歩子さんの見方は コメントプラス

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 近畿大学のパンフレットに「美女図鑑」「美男図鑑」が掲載されており、「学生の容姿を前面に出す広報は不適切」と批判が出ている。社会学者で東大名誉教授の上野千鶴子さんは「公然とルッキズム(外見差別)に加担するような振る舞い」「表面化するまでに内部でクレームが出なかったとしたら、大学の組織体質としても問題」と指摘している。(「大学パンフに『美女・美男図鑑』 学内から批判、識者はどう考える?」、15日配信)

 この記事について元競泳五輪代表の井本直歩子さんは、近大の「時代錯誤」な感覚に驚いたとする一方、雑誌編集も手がける業者と大学が共同で作った冊子全体を見ると「ファッション誌さながらのポップでオシャレなつくり」だったとした上で、次のようにコメントした。

 「通常の大学案内の概念は完全に壊され、雑誌を読んでいる気分になるため、美女・美男図鑑も違和感なく収まっている感はあります。業者の策略に流されてしまったのだろうと思いますが、それでもやはり上野さんの言われるように、チェック機能が働いていなかったのだとしたら問題です」

 井本さんは、もともとの雑誌メディアなどに潜むルッキズムをめぐる問題についても言及した。

 「視聴率、購買率を上げるためであれば、メディアも営利目的なんだから、と大衆的で社会の倫理に反するようなコンテンツも許容されている。どういった社会を目指さなければならないのかの社会的責任は、後回しにされてしまっている」

 その上で、発行主体が持つべき判断基準について、こう指摘した。

 「企業のミッション設定の問題でもあると思います。しかし大学、しかも私学志願者ナンバーワンの人気大学となれば、議論の余地すらないと思います。ルッキズムがなぜいけないのかについて、今一度学内で問いただす機会にしていただけたら」

 記事では、上野さんのほか、若者文化に詳しいマーケティングアナリスト・原田曜平さんの意見も紹介した。原田さんは、保護者世代には「ルッキズムは良くない」と思う人が多い一方、受験生で今回の大学案内をネガティブに捉える人は一部ではとの見方を提示。その上で、「大学は若者が社会に出る前の教育の場です。『あなたはこういう社会に生きていくんだよ』ときちんと示すべきです」として、ルッキズムを助長するようなことをすべきではなかったとの考えを示した。

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