中国を脅威とみなすバイデン氏 米中の「分裂」が招く国際秩序の崩壊

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聞き手・高田正幸
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 バイデン米大統領が韓国と日本を訪問しました。アジアでの影響力を増す中国をにらんだ歴訪とみられていますが、「影の当事者」とも言える中国はどうみているのでしょうか。北京大学国際関係学院の前院長で、国政諮問機関の全国政治協商会議の常務委員も務める賈慶国氏に話を聞きました。

 ――バイデン氏が韓国と日本を訪問し、日本ではクアッド(日米豪印)首脳会合に参加しました。先日も、ワシントンで東南アジア諸国連合(ASEAN)との特別首脳会議を開いています。こうした米側の動きをどのように見ていますか

 一連の米国の動きには「欧州だけでなく、アジアにも目を向けている」というバイデン氏のメッセージが込められていると思います。つまり、ロシアとウクライナの戦争が起こったとはいえ、米国はアジアを無視しているわけではない。そうしたメッセージです。

 ――実際、ロシアがウクライナに侵攻して以降、多くの専門家が米国は欧州に集中せざるを得ず、アジア太平洋への注意は薄まると考えていたように思います

 その通り、ウクライナの紛争が起きた後、多くの人が「米国は主力を欧州に注がざるをえないのではないか」と考えました。しかし、バイデン政権は中国を米国の最大の戦略的競争相手とみなしています。経済や軍事だけでなく、価値観やイデオロギーも含んだ幅広い競争で、米国は同盟国との関係強化によってこの競争で優位に立とうとしている。この、中国との競争を重視する米国の姿勢は変わらないでしょう。

 ――ウクライナ情勢は米国のインド太平洋戦略には影響しないということでしょうか

 一定程度はインド太平洋戦略に影響をもたらすでしょう。バイデン政権はこの先もしばらく、欧州の問題に多くの時間とエネルギー、資源を費やす必要がある。これは客観的事実です。時間とエネルギーや資源には限度があり、アジア太平洋には当初考えていたほどの力は割けなくなります。

 一方、だからこそ米国はアジアへの関心を改めて強調する必要があったと考えたのでしょう。今回の訪問を機に地域の同盟国、特に韓国と日本との関係をさらに強化したいと考えていることでしょう。いわゆる中国の脅威や北朝鮮の核開発という課題にどう対処していくか、という問題も含まれます。

考え方を変えないバイデン氏

 ――ウクライナ情勢は中国のアジア太平洋地域の戦略にとってはどのような影響がありますか

 実質的な影響があったとは思いませんが、米国の注意が欧州にも向いたという意味では対中圧力は弱まったと言えるでしょう。

 ただ、先ほども申し上げたと…

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