不安に乗じた「安心保障」でいいのか? 早大教授が嘆く軍事の議論

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聞き手・小村田義之
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交論 軍事が語られる日常

 ロシアのウクライナ侵攻で、日本のお茶の間にも最新兵器の話題が入り込み、軍事の議論が飛び交うのが「日常」になってきた。この時とばかり、政治家も防衛力強化に前のめりの発言を繰り返す。そんな現状に、危うさはないか。憲法と自衛隊の関係を考え続けてきた水島朝穂・早稲田大学教授に聞いた。

みずしま・あさほ

1953年生まれ。専門は憲法・法政策論。96年から早稲田大学法学部教授。著書に「平和の憲法政策論」。ホームページ「平和憲法のメッセージ」で25年間、毎週「直言」を更新。

 ――軍事に詳しい憲法学者の一人として、最近の議論をどう見ていますか。

 「最近のテレビは防衛省関係やそれに近い研究者の出演が多く、メディアは戦況報道の様相を呈しています。ロシアのウクライナ侵攻はもちろん国際法違反の行為で、国際社会がこれを非難し、ウクライナ国民を支援するのは当然です。しかし、その方法として、米国や北大西洋条約機構(NATO)を中心とした支援国の大量の兵器供与とハイテク通信技術の提供によるロシアとの実質的な代理戦争となっていることは問題です」

 「1990年8月のクウェート侵略から湾岸戦争に至る過程も、『米国の挑発による過剰防衛』という見方がありました(ラムゼイ・クラーク元・米司法長官編著『アメリカの戦争犯罪』)。今回も既視感があります。ウクライナ政権の『不都合な真実』についても、メディアはもっと冷静かつ客観的に伝える必要があるでしょう」

 ――安全保障への不安もあってか、軍事の議論を前面に打ち出す政治家も目立ちますね。

 「国民の不安感に便乗して…

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