JASRAC、著作権料の徴収歴代2位 逆風の音楽業界でなぜ好調?
コンサートの動員減にカラオケ利用の低迷……。新型コロナ禍で音楽産業は苦境に陥った。ただ、こと音楽の著作権料に限っていえば、不況などどこ吹く風。音楽著作権協会(JASRAC)の2021年度の徴収額は過去2番目に多い約1167・3億円(前年度比3・6%増)だったからだ。どうやら、徴収構造が大きく変化しているらしい。
JASRACは、作詞・作曲家らに代わって楽曲の著作権料を徴収する団体で、日本の音楽著作権管理市場をほぼ独占している。JASRACが5月18日に発表した21年度の事業実績によると、同年度に実際に作詞・作曲家らに分配された金額は約1040億円に上った。また、運営経費は119・2億円だったという。
シンクタンクのぴあ総研によると、19年に約6300億円だったコンサート市場規模は、21年には約2800億円と半分以下に。また、全国カラオケ事業者協会によると、コロナ禍に入った20年度のユーザー市場規模は3039億円と、前年度の半分程度にまで減少した。
こうした場所で、楽曲の利用頻度が減れば、そのまま徴収額にも反映される。21年度は、コンサートやカラオケなどの「演奏等」は161・4億円とコロナ前だった19年度の3分の2にとどまった。「放送等」も21年度は、279・8億円と前年度比6・7%減と伸び悩んでいる。
では、そんな状況下でなお、過去2番目の徴収額を維持できたのはなぜか。
「徴収構造の変化が鮮明に」 生まれた新たな徴収の柱
それは「インタラクティブ配…