過去40年、前例なき「2期目不出馬」 日本医師会長選で何が起きた

有料会員記事

久永隆一、村井隼人
[PR]

 この40年間、2期目への出馬を阻まれた日本医師会長は、ほかにいない。1期2年の短命で終わる中川俊男会長。44兆円余りの国民医療費新型コロナウイルス対策に影響力をもつ会長職をめぐり、何が起きていたのか。立候補断念の裏側を探った。

現職中川氏への包囲網

 「明日、東京都医師会の尾崎治夫会長が中川さんと秘密裏に会って、出馬を思いとどまるよう説得する」

 17日午後。日本医師会の幹部は周囲にそう漏らした。会長選での惨敗が予想され、中川氏は不出馬に追い込まれるだろう――。そんな観測が永田町にも一気に広がった。

 「たまったマグマが、6月の会長選を前に噴き出したということ」。別の幹部は、組織内にあった中川氏への不満が背景と語る。

 中川氏は2年前の会長選で、4期8年、会長の座にいた横倉義武氏を破った。191対174。17票差の薄氷の勝利だった。

 横倉氏といえば、安倍晋三元首相や麻生太郎前財務相と直接交渉ができる間柄が有名だった。

 政界人脈もフル活用し、2年に1回の診療報酬改定では、医師らの人件費に回る部分の引き上げに、自身が担当した4回とも成功した。

 その後を継いだ中川氏。政界とのパイプは就任当初から不安視されていた。だが、中川氏は周囲に「岸田文雄首相や後藤茂之厚生労働相に直接、電話できる間柄だ」と語っていたという。

退任劇の裏側で

中川氏は自信をのぞかせていた「政治とのパイプ」。ところが、昨年末にその手腕への疑問が噴出する出来事が起こり……。記事後半では、狭まる「中川包囲網」の裏舞台を描きます。

 ところが、政府与党との交渉…

この記事は有料会員記事です。残り873文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【7/11〆切】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら