玄関脇に銃弾痕…買い取った「訳あり」組員宅、市が絶対売りたい理由

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 暴力団抗争が続けて起きた兵庫県尼崎市が、組幹部の自宅を買い取り、売りに出している。住宅は玄関脇に銃弾痕がある「訳あり」物件で、なかなか買い手はつかない。自治体が組員宅を買い取るのは全国初。異例の策に出た市には、どうしても売却を実現したい理由があるという。

 組員宅だった不動産は、住宅地を横切る市道沿いにある。近くに小・中学校があり、子どもたちやベビーカーを押す親らが行き交う。

 奥行きのある棟続きの3階建て住宅。道路に面した玄関前には「売却予定地 建物付き2434万円」との看板が立つ。玄関脇の壁によく見ると、直径2センチほどの穴が二つ開いている。

 尼崎市南武庫之荘5丁目のこの住宅に2020年11月18日未明、銃弾が撃ち込まれた。けが人はなかった。捜査関係者によると、特定抗争指定暴力団山口組系の組幹部の自宅だった。

 地域住民から不安の声が高まる中、市は組幹部の売却意向を受け、1800万円で21年に購入した。不動産鑑定士の評価を踏まえた。今年2月に最低価格2434万円で競争入札を開いたが、参加はゼロ。市は仕切り直して5月17日から同額での購入申し込みを募り始めたが、31日朝までに応募はない。

 市の売却実施要領によると…

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