インドのクアッド参加、主眼は対中国 ロシア批判避ける国民感情

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聞き手・石原孝
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 日米豪印のクアッド参加国の中でインドは唯一、ウクライナに侵攻したロシアを名指しする批判を避けている。なぜ、ロシアを批判しないのか。インドがこの枠組みに参加している狙いは何なのか。インドのシンクタンク「オブザーバーリサーチ財団」で安全保障・戦略・技術センター長を務めるラジェスワリ・ピライ・ラジャゴパラン氏(51)に聞いた。

 インドがクアッドに参加したのは、影響力を増している中国の存在が大きい。両国には長年にわたる国境対立があり、近年は中国が攻撃的な態度とともに、軍事、経済、政治的な力を増したことで、関係が不安定になってきている。

 2020年には国境付近で武力衝突が起き、死傷者が出るなど安全保障上の最大の脅威となっている。インド側が中国への対応を取らなければいけないとの懸念は大きくなっており、抑止力としてクアッド参加国との関係を強化している。

 クアッドは他国へのワクチン供与や気候変動など、より広範囲なテーマを協議する場にもなっている。参加国は原料調達から製造、流通までを担うサプライチェーン(供給網)を中国に依存していた状況も変えようと動いている。

ロシアめぐる国防事情と国民感情

 一方でインドは、クアッド参加国の中では最もこの枠組みへのつながりが薄いと言える。海上での共同パトロールの実施なども積極的とは言えない。インドはロシアや中国などが参加するBRICS(新興5カ国)や上海協力機構(SCO)など、他の国際的な枠組みにも参加している。インド政府の基本方針は全方位外交であり、国益を考慮し、特に主要国とは良好な関係を築こうとする。

 クアッドの他の3カ国と違い…

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