首都直下地震、都内の死者最大6200人 10年ぶりに想定見直し

小林太一
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 東京都は25日、首都直下地震が起きた場合、死者数が最大約6200人に上るなどとする都内の被害想定を発表した。10年ぶりの見直しで、死者・建物被害とも前回より3割以上減った。木造密集地域の解消など、2011年の東日本大震災後に特に力を入れた対策の結果としている。

 23区南部を震源とするマグニチュード(M)7・3の地震が起きた場合を想定した。23区内の東部や南西部などで震度6強以上の激しい揺れとなり、特に湾岸や河川に近い地域は震度7に達するとみられている。

 被害を想定したのは、空気が乾燥し、火を使う器具の利用が多い冬の午後6時(風速毎秒8メートル)に地震が起きた場合。火災や倒壊による建物被害が約19万4400棟、死者が約6200人などと予測した。

 M7・3の地震(東京湾北部地震)を想定した前回より、建物被害は約11万棟(36%)、死者数は約3500人(36%)それぞれ減った。首都直下地震は、例えば死者数の要因別でみると、揺れによる建物倒壊が全体の約5割、火災が同4割に上ると想定され、この二つが被害規模に大きく影響するとみられている。このため都は、老朽住宅の建て替え費用を補助するなどして、建物が倒れにくく延焼しにくい街づくりを進めてきた。

 その結果、都によると、耐震基準を満たした住宅の割合を示す耐震化率(20年度)が10年度末より10・8ポイント高い92・0%に上昇。都の基準で指定する木造住宅密集地域(木密)の面積は12年度より46%少ない8600ヘクタール(20年度)まで縮減した。

 一方、今回の被害想定では、帰宅困難者が約453万人、避難者数が約299万人に上ると予測された。在宅勤務の広がりなどを受けて前回より帰宅困難者、避難者数ともに約12%減ったものの、依然として甚大な影響が生じるとみられる。一時滞在施設の整備などが急務となる。

 また都は今回、地震発生後に起こり得る事象を交通や通信、水道など幅広い分野で予測。都民に実践的な備えを考えてもらうため、「シナリオ」として初めて示した。(小林太一)