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がん細胞を切らずに殺す 次世代の重粒子線治療へ「イオン源」改良

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野口憲太
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 量子科学技術研究開発機構(QST、千葉市)は5月23日、がん重粒子線治療の次世代装置の重要なパーツとなる「マルチイオン源」の開発に成功したと、住友重機械工業と共同で発表した。がんの悪性度に応じ、複数の粒子を組み合わせて使うことができる。小型化が課題になる中、装置に必要なスペースも従来の5分の1にできたという。

 重粒子線治療はがんに対する放射線治療のひとつ。体内のがん細胞をねらって、ごく微小な粒子を光の速度の6~7割ものスピードに加速してぶつける。国内では1994年に放射線医学総合研究所(現QST)で始まり、現在、前立腺がんや手術が難しい骨軟部腫瘍(しゅよう)、膵臓(すいぞう)や肝臓がんなどへの治療では、公的医療保険が使える。

 今回開発したのは、がん細胞にぶつける粒子をつくり出す「イオン源」という装置。従来は電磁石を使うため、電源や冷却装置が併設され、床面積は約6メートル×3メートルほど必要だった。今回は、電磁石の代わりに永久磁石を使って、約3メートル×1メートルまで小さくした。

 さらに、がん細胞にぶつける…

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