小出義雄さん、あなたと出会えたから 最期まで望んだ「小出杯」を

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伊藤繭莉
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 女子マラソンの名指導者で、2019年に亡くなった小出義雄さんの名前を冠したマラソン大会が10月、千葉県八街(やちまた)市で開催される。小出さんが病床で最期まで楽しみにしていた大会で、3年越しの実現となる。小出さんは千葉県内の出身だが、八街市とはゆかりがない。きっかけは、ある保護司の女性との電車内での出会いだった。

 マラソン大会の実行委員で、保護司の木嶋由美さん(72)と小出さんとの出会いは偶然だった。2015年、JR総武線の電車内で佐倉駅から乗り込んだ小出さんを見かけ、「サインをください」と声をかけた。小出さんは気さくに応じて、錦糸町駅までの1時間近く、五輪メダリストの有森裕子さんや高橋尚子さんを指導した経験を話してくれたという。

 「五輪金メダリストを育てる」という夢をかなえた話に感銘を受けた木嶋さんは、八街少年院の少年らにもその話を聞かせたいと思った。しかし、小出さんの連絡先がわからなかった。保護司仲間の桑山富二夫さん(63)に相談。小出さんの自宅を探して直接訪問し、講演を依頼。その後、快諾の連絡をもらった。

 講演は翌年に実現した。小出さんは「夢の実現」をテーマに話をした。その際、小出さんは謝礼を受け取らず、「少年院に寄付してほしい」と言った。保護司や少年院関係者は、小出さんの気さくで面倒見が良い人柄にひかれたという。

 当時、小出さんは八街市に隣接する出身地の佐倉市にクラブチームを設立して、選手を指導していた。知り合った保護司らは、農産物や地元特産のショウガを使ったジンジャーエールを差し入れるなどして、小出さんとの交流が続いた。

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